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【あるアサクロの】RO感動スレ 第2話【物語(TCJ錐)】

[219:(^ー^*)ノ〜さん (07/08/22 12:30 ID:+jS75QFUO)]
俺には相方がいた。
少し昔,アサシンで結構時間かけてオーラも見えて来た頃に,明け方近くに通り掛かったフェイヨンダンジョンで拾ったアコ。
全くの初心者で,始めて二日とかだったかな。
なんか必死にスケルトン叩いて,一匹ごとに座ってたから,なんか自分のノビ時代思い出して思わず声かけたんだ。

俺は接続時間が悪かったのか時代が悪かったのか,生まれ落ちた町に意識のある人は皆無だった。
一人で一ヶ月かけてシーフに転職した。
出したアイテムはすぐ拾わないと,よってたかってカクカクした動きの話さないキャラ達に持って行かれてしまう。
すごくつまらなかったけれど,一生懸命頑張って転職した。
そのことを思い出して,話しかけた。


[220:219 (07/08/22 13:05 ID:+jS75QFUO)]
「何か手伝えることありますか?」
俺が声をかけると,しばらくしてから返事が返ってきた。
「ありがとうございます,実はおくすりがきれかけているのですが,どこでか」
…入力オーバーだった。
俺はもっていた白ポを少しあげ,基本的なことを2,3教えることにした。
俺がノビの頃,知りたかった事。
アコの喋りは非常に遅かった。自分もそうだったから,辛抱強く,解りやすいように教えた。
話しをきくと,町で出会ったプリーストに少し教わり,転職まで手伝ってもらったらしい。
アコになるとそのプリは「これからは自分で調べて,自分で仲間を見つけていくように」
と,アコをほうり出したらしい。
なんとなく,その気持ちはわかった。
手助けするのは簡単だが,多分自力でしっかり育って欲しかったんだろう。
壁や養殖では見えない小さな楽しみを見せたかったんだろう。
俺もそれにならい,聞かれたことだけ答え,自分で知る喜びは奪うまいと思った。


[221:219 (07/08/22 13:35 ID:+jS75QFUO)]
いろいろ教えるうちに仲良くなり,友達登録をした。
その日はそこで別れたが,次の日から質問のWISが飛んでくるようになった。
以前作り,放置していたWIZで公平狩りしたりもした。
日に日に慣れて行くアコを見て,俺も嬉しかった。
やがて毎日一緒に狩りをするようになり,相方のようになって行った。
毎日俺は違う狩場に連れていき,観光ガイドのように敵の説明,特色,眺めのいい場所なんかを教えた。
地上をほとんど歩き尽くしたころ,アコは立派なプリーストになっていた。


[222:219 (07/08/22 14:09 ID:+jS75QFUO)]
転職のお祝いに粗品をあげ,ふと気付いた。
プリはGに入ってなかった。
確か聞かれて教えたはずなのに,いいGなかったのかな,と思い何気なく聞いてみた。
すると
「アサシンさんと同じギルドに入りたいから,誘ってくれるのを強くなりながら待ってます」と答えた。
俺は嬉しいのか照れ臭いのかよくわからない気持ちになり,何も言わずに加入要請を出した。
接続少人数のマッタリGなのに,なにやらとても喜んでくれた。
なかなかINしないGの仲間を紹介してまわり,彼女は一気に友達が増えた,と喜んだ。
もっと選択肢を広げてあげたかったから,わざわざGには誘わなかったんだが,喜んでくれたのでこれでよかった,と思えた。
それからは,Gの仲間と大人数で狩りにいったり,新パッチをみんなで楽しんでみたり,毎日INするのが楽しくてしょうがなかった。

そのころもう既に俺は,プリのことが好きになっていた。
しかしいろいろ教えたりした立場として,恩に着せてせまるようで,どうしてもそれを告げられなかった。
そんなある日,俺は久々にWISでプリに呼び出された。


[223:219 (07/08/22 14:41 ID:+jS75QFUO)]
呼び出された先はコモドの火山の上だった。
確かアコ時代に連れて来て,1番気に入ってると言っていた場所。
なんとなく真剣な雰囲気を感じた。
「こんなとこに呼び出してすいません。」
プリの様子も変だ。
昔に戻ったみたいに,なかなか次の言葉が出てこない。
ようやく告げられた言葉。
「結婚していただけませんか…?」

俺は血が逆流するかと思ったくらい動揺した。
発言できない俺の前で,同じくテンパってるのか,汗エモ連打のプリ。

その時俺は動揺しながら,罪悪感のような物を感じていた。
刷り込みじゃないのか,選択肢がなかったんじゃないのか,俺の気持ちに気付いて,気を使ったんじゃないのか…
俺が出した答えは

「今はできない」


[224:219 (07/08/22 15:23 ID:+jS75QFUO)]
「今は結婚できない。プリはまだまだ世界を知らない。このまま頑張って,転生して,俺と公平組める組める頃なら…」

俺はこう答えた。
転生するまで一緒にがんばれたら,踏ん切りつけられる。
つまるところ,自信がなかった。

「そうですか…すいませんでした…」
かなり沈黙があってから,プリは答えた。
まだプリは,出会った人が少ない。ゆっくり成長していき,それでも変わらなければ,転生と同時に結婚しよう。待ってる

そういいたかった。
そう,わかってもらえたと,その時は思っていた。
けれど,それはただの都合のいい勘違いだった。

後で知ったのだけれど,そのときプリはまわりから,俺に関するよくない事を吹き込まれていたらしい。
「アサシンはプリを大事に思ってはいない。レベル上げも手伝わないし,アイテムくれるわけでもない」
と。
その言葉に動揺したプリは,思い余って告白したらしい。

確かに世の中では壁,アイテム支援とかは日常だ。中古装備すらあげなかった俺は,そう思われても仕方がなかったろう。

わかってくれると思っていた。
今はわからなくても,そのうちわかってくれると。

勘違い野郎。


[225:219 (07/08/22 16:20 ID:+jS75QFUO)]
その次の日から,プリはなんとなく距離を取り始めた。
俺も気恥ずかしかったし,彼女も一緒なんだろ,と思っていた。
数日してから,さすがに距離に気まずくなってきて,彼女を狩りに誘った。「私とだと,アサシン育てられないでしょう」と断られた。
何度か誘ってみたが,いろいろな理由から,断られたり,短時間しかかれなかったりした。
淋しかったが,彼女の世界が広がって行くのはいいことだと言い聞かせ,考えないようにしていた。
その頃から,彼女は特定のWIZとよく組むようになっていた。
いろいろアイテムも貰うらしく,日に日に装備が豪華になっていった。
あまりよくないと思っていたが,さすがに「もらうな」は介入しすぎだと思い,ほっておいた。
しかし,彼女は次第にGからも距離をおき始め,やがて脱退すると言った。
そんなばかな,とその時になってやっとなにかが狂ってきていたことがわかった。
彼女はあのWIZのGに行くらしかった。

Gを抜ける時,少し時間をもらい,彼女と二人きりになった。
いざ彼女の前になると何を言えばいいのかわからず,しばらく沈黙になった。
最初に行動したのは彼女だった。
俺に持っている支援スキル全部かけ
「今までありがとう。
いろいろ連れていってくれてありがとう。
いろいろ教えてくれてありがとう。
転職のお祝いに目隠しくれてありがとう。
今まで楽しかったのは,全部アサシンさんのおかげです。
ずっと一緒にいたかったけど,足手まといになってるのは苦しいから。
いつか,転生したら,あいに来ます。
それまで。さようなら。」

何も言えなかった。何か言えただろうと今なら思うけれど,そのときは全く何も言えなかった。
最後に彼女はハートエモを出し,テレポートで帰って行った。


それが彼女と話した最後だった。


[226:219 (07/08/22 16:51 ID:+jS75QFUO)]
そのあとの時期は正直あまり細かい事を思い出せない。
WIZに言い寄られてた事,そいつにいろいろ吹き込まれてた事を,Gの仲間は相談されていたらしく,いろいろ聞いたが,俺にはどうしようもないことだった。いまさら。

ひどく苦しんだと思うし,ひどく虚しかったが,彼女の最後の言葉は忘れられず,仲間の協力もあり,なんとか転生した。

アコと出会ったころのレベルまであげ,今はひたすら待っている。
彼女は俺が待っているとは思ってないかも知れない。
もう誰かと結婚し,昔話としているかも知れない。
それでも待っていよう。

俺は彼女を対等に扱う事を忘れてたんだろう。
まだ初心者と,まるで彼女の保護者かのような気持ちでいた。
彼女に追い付かなくてはならないのは俺だ。
せいぜいがんばろうと思う。

目隠しをしたハイプリが訪れるまで。


[227:にゅぼーん (にゅぼーん)]
にゅぼーん


[228:(^ー^*)ノ〜さん (07/08/23 02:14 ID:1610jgAO0)]
感謝スレかさもなくばチラ裏行きだよな


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