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【あるアサクロの】RO感動スレ 第2話【物語(TCJ錐)】

[56:24ですが・・・ (06/02/19 21:35 ID:iIOfV9GR)]
プリーストは、ノーマナーを重ねていたLK女を助けたことに対し、不満を持っていた。
そして、彼が起こしたと思われる先ほどの低レベルPTのアコから、青ジェム数個を差し出された。
プリーストはそれを受け取らず、全員に十分な支援を与え、送り出した。
パラと同じギルド所属だった。
「今、楽しくRO出来てる?」
とパラは尋ね、答えないLK女に、
「楽しめていないとして、もし楽しみたいと思っているなら、また会おうね」
と残して、プリと一緒にその場から立ち去った。
白ポーション50個を残して。
LK女は、ずっと会いたかった人に会えた喜びと、自分の情けなさと、
取り返しのつかない自分の罪に対する後悔、悲しさで胸がいっぱいになり、泣いた。

強くなっていくことが楽しかった。
楽しいというより、快楽に近かったかもしれない。
でも、そのことをもう喜べない。
金をかけて、不正を働いて、そうして強くしていった今のキャラクター。
3年かけて転生させたキャラクター。
もう、それに少しも価値を感じなくなってしまった。
LK女は、昔ずっと溜まっていた旧エルダ森に向かった。
そこにはもう、昔の温もりもなく・・・
人と人との交流やドラマもなく。
昔を懐かしむLK女は、また涙を流した。
そして、首都プロンテラの一角で、昔のLK女とパラがしていたような会話を、耳にする。
「俺は転職して騎士になったらもっと強くなってお前を守れるよな」
「私も負けない。支援には、かけた人を強くする楽しさがあるんだからね!だからプリになるんだよ」
そんな会話を立ち聞きしつつ、LK女はひとつの事を決めた。
引退しよう。


[57:24ですが・・・ (06/02/19 22:00 ID:iIOfV9GR)]
引退しよう。
もう、自分はあの頃には戻れない。
純粋のこの世界が好きで、同じ気持ちで居る仲間が好きで、楽しく遊ぶことが好きだった、
あの頃には、もう戻れない。
姿を消そう。それしか出来ることなんてない。
そう心に決めたLK女だったが、心残りの事があった。
ようやく会えた、憧れだった、ちょっと好きだったパラと、少ししか話せなかったことだ。
LK女はけじめをつけるために今のギルドを抜け、パラにwisを送った。
「今なら暇だから、どこにでもいけるよ」
最後にいろいろ話して、いろいろ聞いて、それから引退しよう。別れを告げよう。
約束の場所にやってきたのは、パラと先日のプリ、その他10名ほどのパラのギルドのメンバーだった。
晒し者だ・・・とLK女は思ったが、それで踏ん切りがついた。
LK女は、ずっとパラが好きだったこと、そして今までどんな不正を働いてきたかを告白した。
これを機会に、引退して、キャラとアカウントを消すつもりであることも伝えた。
パラの後ろに居るギルドメンバーは、黙ってLK女の話を聞いていた。
パラは、LK女の話が終わると、自分の話を始めた。
課金開始直後、複雑な事情でログインが数ヶ月出来なくなり、
PCがウィルスに感染したなどで接続すら出来ない状態が続いた。
そして半年経ち、キャラが消えてしまったという。
その間にメンバーが居なくなってしまい、LK女が去ったことが寂しかったとも伝えた。
だが友達登録などもすべて消え、ブランクで人の名前も性格に思い出せず、
ほぼ新規という形でギルドを立ち上げ、再びレベル上げを始めた。
ヒールが使える職業であるクルセイダーに転職した理由は、
「イマイチ支援がへたくそで、
 パラを守る余りに自分が死んでしまっていたお茶目なLK女のアコに、
 自分の手でヒールを掛けてあげる為」
だったと伝えた。LK女は、こみ上げる涙を抑えられずに、絶句した。
あの時、アコを消さなかったら・・・
どこかで、あなたと会えたら・・・
自分の弱さに負けなかったら・・・
人のぬくもりに触れられていたら・・・それに気づけたら・・・
だけど、もう戻れない。自分は汚れすぎた。この世界に居てはいけない。
名残惜しい。やっと、大切に思っている人と再会できたのに、それが別れの時と同じだなんて。
勇気が要った。が、伝えないといけない。
自分がこの世界にジャマになったことに、気づいてしまったから。


[58:24ですが・・・ (06/02/19 23:01 ID:iIOfV9GR)]
LK女「あの・・・」
パラ「はいな?」
LK女「私、今日で・・・」
パラ「○○、今、君はROを楽しめている?」
LK女「え?」
パラ「前、聞いたけど。答え貰ってない」
LK女は、すこしためらったが、正直に”楽しめていない”と答えた。
パラ「もう一度、あの頃に戻れたら、って思う?」
重い質問だった。それは余りにも遠く、叶うことの無い望み。
答えるのも悲しかったが、LK女は正直に”戻りたい”と答えた。
LK女「でも、もう遅いよ。私は汚れきってるから・・・最後にあなたと話したくて、それでここに呼んだの」
パラ「もう遅い?」
LK女「遅いよ。もう商人ごとお金もレアも全部消したし、セージも消した。倉庫にあるものも全部店に売ったよ」
LK女はそう言って、証拠SSのURLをパラにwisで教えた。
パラ「確かに、言ったとおり消えてるね」
パラはうなずいて、後ろのギルドメンバーを見た。
プリは仕方なさそうにため息をついた。
プリ「筋は通してますし、どうぞお好きになさってください」
パラ「ありがとう。でも、まだ残ってるね」
パラはそう言って、LK女の装備を見た。
パラ「その装備、よかったら私に譲ってくれないか?」
LK女は、パラの思いがけない発言に耳を疑った。黒い私の装備を、欲しがっているなんて。
というより、パラの装備品は明らかにLK女に匹敵するレベルの物だ。
今更、+4ミストレスの王冠が欲しいと言い出すようなレベルではない。
だけど、この人なら、こんな装備でも役立ててくれるかもしれない。
私がここにいたという最後の形見として、持っていてくれれば嬉しいかも・・・
そう思ったLK女は、思い切って装備品の全てをドロップした。
パラはそれを全て受け取った。


[59:24ですが・・・ (06/02/19 23:23 ID:iIOfV9GR)]
パラ「さて・・・」
パラは装備の確認をすると、もう一度LK女を見た。
パラ「私がこれからすることを、黙ってみていてくれるかな?」
LK女は何が何だか分からず、ただ黙ってうなずいた。
パラはそれをみて、にっこりと笑った。
その笑顔が、昔見せてくれたものとそっくりで、LK女の胸は痛んだ。
パラは、後方に控えていたアサシンを呼んだ。
アサシンは、ポポリンのタゲを取ったまま、そこに立っていた。
パラに指示されてアサはうなずくと、ハイドした。
敵をロスとしたポポリンは、きょとんとしている。
そこにパラは、LK女から受け取った装備品を全てばら撒いた。
ポポリンは興味深そうにドロップ品を飲み込んでいった。
その上に、パラはゼロピーを1個ずつ落とした。ポポリンはおいしそうにそれを飲み込んでいく。
そうして、LK女の装備品は、すっかりと消化されてしまった。
パラ「これで、片付いたね」
時価150Mはすると思われる装備品を全部ポポリンに与えてしまったということにLK女はショックを受けていたが、
やがて、パラのしようとしている事に気づき始めた。
LK女「まさか・・・」
パラ「どうせ、またアコを作るんだろう?」
パラは笑って言った。
パラ「それを消して、新しいアカウントでノビを作っておいで。転職まで手伝ってあげよう」
LK女は、涙で霞む目を必死にこすりながら、パラの言葉を聞いた。
パラ「もう一度はじめよう。あの頃のように。
   あのときのエルダ森のような溜まり場は、他の場所に作ってある。
   君を受け入れてくれる人たちはたくさん居る。
   だからまた、はじめよう。3年前の、あのすばらしい時間を、もう一度最初から楽しもう。
   みんなで楽しくやろう。今度こそ、私は君と一緒に居るから」
プリはそのパラの言葉を聞いて、ようやく理解した。
(この人は、LK女が探してたみたいに、LK女のことを探してたんだな・・・)
そう思ったら、ギルマスの冒険に近い決断にも、付いて行ってやるかという気持ちになった。
プリ「リセットなんて出来ませんよ」
と、一見、空気の読めなさそうな言葉を、プリは吐いた。
プリ「リセットなんて都合の良いことはできません。
   あなたは、今までの自分の経験を糧にして、頑張っていくしかないのですから」
LK女は、涙でぼろぼろだったが、しっかりとうなずいた。
そしてLK女はパラのギルメンに深く礼を言い、キャラを消した。
ノビになって戻ってくると、プリがLK女の転職を手伝い、その後無事LK女は支援プリになった。
パラとLK女が結婚して、+7ミストレスの王冠をプレゼントされるのは、それから約半年後のことだ。


[60:24ですが・・・ (06/02/19 23:28 ID:iIOfV9GR)]
そして今、引退を控えたプリが、ここに書き込みをしている。
二人はまだ、仲良くやっている。
8ヶ月前までALL+8装備を持っていたLK女が、
レイドリックカード1枚のドロップで大喜びしているのを見ると、
うちのギルマスの懐の深さと、人を導く指導力の高さに敬服するばかりだ。
プリ自身はGvも経験せず、仲間と楽しくじゃれあったまま、96でこのアカウントと別れを告げることになった。
発光までの必要経験値のたった半分までしか稼げなかったが、
2年のROプレイの歴史で、単なるゲームじゃ分からない人間のすばらしさという物を学んだ気がする。
オフラインのゲームで、シナリオ作者の主張に感じ入る楽しさもあるが、
リアルタイムに人間同士が作り出していくドラマの深さも、また捨てがたい輝きを持っている。
そんなことを思いつつ、プリは引退する。
新たなるスタートを切った2人に、長い幸福が訪れることを祈りつつ、
プリのROライフに幕を閉じようと思う。

お疲れ様でした。そして、これからも頑張ってね。


[61:24ですが・・・ (06/02/19 23:29 ID:iIOfV9GR)]
長文乱文スイマセンorz
暇があったら、おかしなところを直してください・・・
あと、はしょった部分もありますので、話を上手にまとめるタメニ必要なことでしたら、
また聞いて下さい・・・暫くここみてます


[62:(^ー^*)ノ〜さん (06/02/20 01:38 ID:ivfgIGRO)]
透き通るように白い太腿を舐め回し、中央の密林地帯をまさぐりながら崇史はこう言った。
まで読んだ。


[63:(^ー^*)ノ〜さん (06/02/20 02:23 ID:vl9K3VvV)]
ちょっと泣きそうになった


[64:(^ー^*)ノ〜さん (06/02/20 10:02 ID:8omdDjnt)]
いい話だね


[65:(^ー^*)ノ〜さん (06/02/20 13:20 ID:0K4pgLH5)]
とても良い話だと。素直にそう思う。
おかしなところは直してとのことなので、いくつかお節介な指摘を。
まず誤字と思われるもの。
・GvGは始まると→GvGが始まると
・余り突然の事に→余りに突然の事に
・性格に思い出せず→正確に思い出せず
・敵をロスとした→敵をロストした

あと、装備品をポポリンにルートさせる部分。
厳密には、あの方法ではアイテムは消えてません。ルートモンスターが
10個以上のアイテムをルートすると11個目のアイテムから消えていくので、
この場合後からルートしたゼロピーは消えても装備品は消えずに残ってます。
まあ、この後誰にも倒されず放置されてればメンテで消えたでしょうが。
もし再編集とかをするのであれば、ここは事実通りにならなくても
脚色ということで変えておいた方がいいかもしれないと思います。


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